workshop/久留米絣の機やさん
津留織物
伝統的な矢絣も配色で新しく。これほど細かく緻密な矢絣は津留織物ならでは。
政次さんで四代目となる津留織物は、経糸と緯糸で柄を表現する本絣、小柄、挿色など、
久留米絣の中でも特に手の込んだ絣を得意とする機屋さん。
挿色とは、生地の織幅に複数の色を入れたい時に、
糸を巻き付けた竹の棒に染料を付けて絣糸に色を摺り込んでいく技法です。
反物に配色される色数が多いほど摺り込みの部分は増え、手間も増えます。
また、本絣は柄がずれやすいため、全工程において高い技術力が必要とされる絣なのです。
“他の工房がやらないことをしなければ”と、難しい絣に特化したのは父・泰道さん。
「父は家業を立て直すため、中学を卒業してすぐに働き始めました。
そして、他に負けない技術を身につけました。尊敬する職人です」
そう語る政次さん。彼もまた、伝統の小柄を生かしながら、新しい色味を模索しています。
オーソドックスな紺・黒・白などモノトーンが多い絣の中で、
ひと際目を引く津留織物のパステルカラー。
絣の持つ素朴で柔らかいイメージを引き立たせ、ファッション性も高めています。



