workshop/久留米絣の機やさん

津留織物

津留織物
伝統的な矢絣も配色で新しく。これほど細かく緻密な矢絣は津留織物ならでは。

政次さんで四代目となる津留織物は、経糸と緯糸で柄を表現する本絣、小柄、挿色など、
久留米絣の中でも特に手の込んだ絣を得意とする機屋さん。

挿色とは、生地の織幅に複数の色を入れたい時に、
糸を巻き付けた竹の棒に染料を付けて絣糸に色を摺り込んでいく技法です。
反物に配色される色数が多いほど摺り込みの部分は増え、手間も増えます。
また、本絣は柄がずれやすいため、全工程において高い技術力が必要とされる絣なのです。

“他の工房がやらないことをしなければ”と、難しい絣に特化したのは父・泰道さん。

「父は家業を立て直すため、中学を卒業してすぐに働き始めました。
そして、他に負けない技術を身につけました。尊敬する職人です」
そう語る政次さん。彼もまた、伝統の小柄を生かしながら、新しい色味を模索しています。

オーソドックスな紺・黒・白などモノトーンが多い絣の中で、
ひと際目を引く津留織物のパステルカラー。
絣の持つ素朴で柔らかいイメージを引き立たせ、ファッション性も高めています。

津留織物矢絣の絣糸。括る範囲の長い“長きびり”のため動力では解けず、一つひとつを手で解かなければならない。
津留織物津留織物の小柄は素朴で品があるのが特徴。
津留織物泰道さんがもっともこだわり、「死ぬまで自分がする」とまで語るのが経巻の工程だ。経糸の柄が綺麗に合っていることは絣においてもっとも重要。特に経緯絣と難易度の高い絣なので、時間をかけて丁寧に行なう。
津留織物この道60年になる隈ヒデ子さん。動力とはいえ経緯の緻密な柄合わせが必要な本絣は常に人の手が必要となる。経験豊かな織り子さんでなければ難しい。