workshop/久留米絣の機やさん

小川内龍夫

小川内龍夫
藍がめの数は16本。糸束を引き上げ、絞り、藍が空気に触れ酸化して発色する。くぼみに叩き付けることで括りの際まで染料が入り、風合いも良くなる。

この道50年、18歳から久留米絣に携わる小川内龍夫さん。
後世に残すべき技術を高度に保持した人物として、重要無形文化財技術保持者に認定されています。 

藍染めは工程を理解するだけではなく、経験による勘も必要とされる技術。
藍を舐め、味で調子を計れるようになるには長い時間を要するといいます。
それは、藍との信頼関係を築く時間。

「藍は一日に染められる量が決められています。生き物なので、たくさん染めると無理をさせてしまうんです」
そんな龍夫さんの言葉には、愛情さえ感じられます。

毎日欠かさず調子を見なければならない藍は、管理がとても大変です。
それに加えて、糸を薄い藍から濃い藍へと順番に20回、本藍なら30回以上浸けていくという重労働。
しかし、手をかけた分だけきちんと、生きた藍の色が絣に染み込んでいきます。

「本藍は洗うほどに綺麗になります。それが化学染料とは違うんですよね」

築60年という工房に漂う、ぴりっと張りつめた厳かな空気。
その場所は日々真摯に藍と向き合う、龍夫さんの聖域なのかもしれません。

小川内龍夫ムラにならないように、薄い藍から濃い藍へと順番に20回以上浸けていく。力仕事だ。
小川内龍夫幸子さんも手織りを行なっていたが、今は長い付き合いのある織り子さんたちに任せているという。
小川内龍夫毎年製作する干支柄。色の濃淡が多い分、柄合わせには相当な技術が必要。くっきりと浮かんだ白が美しい。
小川内龍夫藍染めの際に経糸にグラデーションをつけ、生地に奥行きを与える。龍夫さんの作る反物はモダンで垢抜けている。