workshop/久留米絣の機やさん

野村雅範絣工場

野村雅範絣工場
四角と藍の濃淡のみで表現されたデザインは、すっきりと潔い。

「化学繊維にはない、綿の温かみや柔らかさを出していきたいです」
そう語るのは四代目、雅範さん。
経糸と緯糸で柄を成す、本絣を得意とする機屋さんです。


雅範さんが家業を継いだ当時、久留米絣の需要は着物やモンペが中心でした。
「今は洋服が中心となり、求められる柄も変わってきました。
以前は赤や黄色が入ったものを多く作っていたのですが、今は洋服になることを考えて黒や紺、茶が主流ですね」
流行を取り入れながらもそれに流されない、久留米絣本来の味わいを感じられる生地。
経緯で緻密に織られた柄は伝統をまとう喜びをもたらします。


「嬉しいのは、自分が織った絣が洋服になった時です。人に使われること、形になったのを見るのは嬉しいですね」
新しさも必要だが、昔ながらの柄も大切に織っていきたいと、雅範さんは考えます。
工房には妻の美穂さん、母の弘子さん、2名の織り子さん。
皆が誇りを持って、伝統を織り上げているのです。


野村雅範絣工場トングに巻き取った緯糸。これをシャットルの中に入れ、機にセットする。
野村雅範絣工場雅範さんの母、弘子さん。先代であり夫の勝さんが亡くなって以来、息子たちと工場を守ってきた。
野村雅範絣工場0歳から始めた絣の仕事。自分で織機を修理し動き出したところで、初めて一人前になれたと感じたそうだ。
野村雅範絣工場雅範さんの作る絣は素朴で温かい。伝統を守りながらも、決して古びない魅力がある。