workshop/久留米絣の機やさん

野口織物

野口織物
光沢のある細番手を使った絣。しなやかな手触り。

絣の風合いは糸の種類、細さ太さを表す番手の組み合わせなどにより、いっそう豊かさを増します。
野口織物は時代に応じて素材を使い分け、風合いを変化させてきた機屋です。
夏絣には60双糸という細い糸を使って涼しく軽やかな生地を織り、
また、経糸を二層にすることで風合いを変える「ちぢみ織」でタオル生地のような肌触りを実現したりと、
その手間を惜しみません。

先代より大柄の絵絣を得意とし、花柄から幾何学模様と柄行きも多種多様。
「問屋さんからの要望や流行を取り入れ、話し合いながら進めています。自己満足ではいいものは作れません」
そう語るのは、三代目の泰光さん。
結婚を機に妻の家業を継ぎ、先代・清雄さんの元で一から技術を学びました。
詳しくないからこそ浮かんでくるアイデアも多かったそう。

工房には息がぴったりと合った3人の織り子さん。
40年来のメンバーだといいます。
立派な四連のノコギリ屋根からは、今日も変わらず柔らかな光が射し込んでいます。

野口織物摺り込みを行なう泰光さん。染色後に括り糸を解いた絣糸を張り台にかけ、配色に従って手作業で染料を摺り込んでいく。
野口織物赤と黄、青色のぼかしは摺り込みで表現したもの。
野口織物糸の所々に節をつけたスラブヤーンや、2種以上の糸を縒ってできる糸の節が入ったネップヤーンなど、さまざまな種類の糸を使用する。風合いを追求し、新たな製品作りに努める。
野口織物昔の地図記号では工場のマークに使われるほど、近代工場の象徴だったノコギリ屋根。工場は北側採光。1日を通して均一の光を取り入れるので、織物の色合いを見るのに適している。