about kurume kasuri/久留米絣について

絣ができるまで

kasuri_kotei

久留米絣ができるまで

「だんだんと糸が馴染んでいく」。
職人が糸について語るとき、それはまるで生き物のようです。
久留米絣の完成に必要な時間は約3ヶ月、30工程。
その作業のほとんどが、織機に糸をかけるまでの下準備に費やされます。
経糸に使用する糸およそ900本(糸の太さによって本数は異なります)が
複雑な工程の間に切れたり絡まないように、柄がずれないようにと、作業の随所にさまざまな工夫がされています。


デザイン 絵紙・下絵 絣の特性を理解した上でデザインを決め、経糸と緯糸、地糸と絣糸の配分を計算し、専用用紙に書き込んでいきます。
この時、糸の伸縮率を考慮する必要があります。
絣糸…糸を括り染色した、絣織物の柄模様を織りなす糸
地糸…絣糸以外の糸
絵糸書き(手織りの場合のみ) 緯糸を括る際の印となる絵糸を作ります。
経尺づくり(手織りの場合のみ) 経糸を括る際の印となる「尺」を作ります。尺は竹を薄く削ったものを使用します。
整経 図案にしたがって絣糸と地糸の本数を割り出し、糸の伸縮率を計算して使用する糸を揃えていきます。
整緯 柄の長さに沿って緯糸を準備。地糸や緯糸が単色の場合は先染めの糸を使用することも。
糸たき(精錬)→さらし(漂白)→ 糊つけ 糸を煮沸して不純物を取り除き、乱れや毛羽立ちを防ぐため糊をつけます。
括り 糸の柄になる部分を別の糸で括り、防染する。しっかりと括ることで染料が際まで入り、柄がはっきりしたきれいな絣ができ上がります。染色の際には解けにくく、しかし絣解きの際には解けやすいよう括ることが作業をスムーズにするポイントです。

手括り 水に浸したアラソウ(麻を蒸して剥ぎ取った表皮)で硬く括ります。乾燥したアラソウは縮み、糸をさらに締め付けます。
機械括り 動力で糸を括っていきます。機械を左右に回転させながら糸を括る、巻立てほどきの際に解きやすい構造になっています。
織締 柄の細かい文人織の絣糸を作る際には、括りではなく織締という方法を用います。これは糸を機にかけ、製織の時のように糸を織り込み防染する方法で、効率よく大量の絣糸を作ることができます。括りの場合は柄と柄の間隔が近すぎると括りが弱くなり、染料が染み込むため、細かい柄を作ることができません。織締はおよそ1mmの柄を作ることができます。
染色 括った糸、地糸を染色します。染色は藍でおこなうもの、化学染料でおこなうものに分けられます。
荒のり・乾燥 糸の乱れを防ぐために糊をつけ、糸の伸縮を少なくするように長く引っ張った状態で乾燥させます。
巻立ほどき(絣解き) 括り糸を解きます。これで、染料の入った部分と入っていない柄部分に分かれた絣糸ができます。

<経糸の工程>

留め合わせ 図案にしたがって経糸の本数を分け、柄を合わせておよそ2m間隔で糸で留めていきます。
本のり・乾燥 糸を低濃度の糊に浸け、テンションを一定にし、製織の際の柄の乱れを防ぎます。
割り込み・筬通し 絵紙で割り出した配分にしたがって地糸と絣糸を並べ、筬羽に2本ずつ糸を通します。
経巻 並べた糸が乱れないように、ボール紙を挟んで張力を揃えながら巻き取っていきます。
綜絖通し 筬羽から1羽(2本)ずつ糸を外し、上下に分かれた綜絖に1本ずつ糸を通します。
機仕掛け 綜絖を機にセットして経糸の準備は完了です。

<緯糸の工程>

緯割り 作業がしやすいように、絡まないようにまとめられた緯糸を、16〜20本単位に割いて長くのばします。
枠上げ(手織りの場合のみ)
管巻
手織りの場合 緯割りした緯糸を管に巻きます。緯糸を片手に持ち、管を回転させながら絡まないように巻き取ります。
機械織りの場合 織機の幅に合わせて作られた平板のトングに、柄を揃えながら緯糸を巻き取っていきます。
製織
手織りの場合 機全体を動かす「踏木」を足で踏み、綜絖を開口させ、その間に杼で緯糸を通します。柄が揃っているのを確認し、筬を手前にトントンと打ち込み、この一連の動作を繰り返すことで生地が織り上がります。
機械織りの場合 手織りでの一連の動作を動力が行ないます。織り子は緯糸の補充、柄合わせに気を配ります。
湯通し 織り上がった生地をお湯に2時間ほど浸けます。これは生地を収縮させ、製品になってからの縮みを軽減させるためです。
天日干し 軽く脱水して天日干しで仕上げます。生地への負担が少ない乾燥方法で、柔らかい風合いに仕上がります。
製反 幅がきちんと揃っているか、傷がついていないか等を確認し、所定の長さで裁断します。四つ折りにたたんで完成。