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日本人の布、久留米絣の染色について。

2013年2月7日

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久留米絣には伝統的な自然染色である「藍染め」と、化学染料で染める「反応染色」があります。
昔の久留米絣は藍染め、手織りが一般的でしたが、今では化学染色、機械織りが主流。
今回は藍染めと化学染料、双方のいいところをあげてみたいと思います。


まず、古くから植物染料として日本で栽培されてきた「藍」。
この、藍という植物を刈り取り乾燥させ、水を加えて3ヶ月ほど寝かせて醗酵させたものが、
「すくも」という染料になります。
この、すくも、に苛性ソーダを加えて湯をかけ沸騰したものを一晩かけて冷まします。
まるで、手の込んだお料理みたいです。
冷えたものは「藍がめ」という、藍汁を保存する壷に移し替え、湯で溶かした水飴を加えて再び冷まし、
4〜5時間経ったところで消石灰を入れ、醗酵するのを待ちます。
藍汁の具合は、なんと、舌で舐めて調節。
チカチカとわずかに感じ、なおかつ少しの甘みを感じる程度に、水飴と消石灰を調節していきます。
こうして少しずつ消石灰を加え、ゆるやかに撹拌を繰り返して、約3週間かけて完全に藍を醗酵させるのです。


醗酵が進んだ藍は金色がかった飴色になって、表面には大きな泡が立ちこめます。
これが空気に触れて酸化することで、美しい「ジャパンブルー」藍色に。
白色と藍色の素朴な美しさは日本人にとって馴染み深く、
また、白色と藍色の濃淡で織りなす表現には日本人ならではの美的センスと繊細さがあります。
更に藍染めは退色の少なさが特徴で、洗えば洗う度に白が冴え、年月を重ねるごとに柄が鮮やかに浮き出していくのです。
40年経った絣の美しさは、年月の経過にしか出せない奥深さがあります。


藍染め、手織りが伝統工芸品としての価値を久留米絣に与えるならば、
化学染料、機械織りは普段着としての魅力を久留米絣に与えます。


近年の久留米絣生産は化学染料、機械織りによりものがほとんどを占めます。
その理由は藍染めよりも安価であること、多彩な染色が可能なこと、染色堅牢度が高いなど、
洋服に適応した染色であるためです。
また、反応染色は染料が浸透しやすく、発色も鮮やか。
現在の色とりどりの鮮やかな久留米絣は、化学染料によって生まれました。


プリントでは表現できない、素朴で落ち着いたその色味は、日本の四季折々のよう。
気長で根気強さが必要な工程。緻密な作業。久留米絣は、日本人の気質が生んだ芸術なのです。
散っていく花にものの哀れを感じ、1週間しか生きられない蝉の鳴き声に、人生の儚さを思うこと。
そんな繊細な感性をもった国の、誇るべき布です。

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